2ベクトルの成す角度を時計回りで計算する

2ベクトル間の成す角度を計算したことが多くあります(例: 【Unity】キャラクターから見て対象への角度を「-180~180度」の範囲で求める - テラシュールブログ)。 単純に2ベクトルの成す角度を求めたい場合、(Unityでは)下記のように求めることができます。

// ベクトルa, bの成す角度を計算する
var angle = Vector3.Angle(a, b);

Vector3.Angleを用いずに計算すると下記のように求められます。

// a, bは単位ベクトルとする
// cosTheta = dot(a,  b) / |a||b|
//          = dot(a, b) / 1x1 = dot(a, b)
var cosTheta = Vector3.Dot(a, b);
var angle = Mathf.Acos(cosTheta) * Mathf.Rad2Deg;

状況によっては自分から見て右向きなのか、左向きなのかも必要になることがあります。 自分からみて右回り(時計回り)の場合正の角度、左向きの場合は負の角度で角度を計算したい場合は、下記のように求めます。

// a, bは単位ベクトルとする
var cosTheta = Vector3.Dot(a, b);
var cross = Vector3.Cross(a, b - a);
// upは世界の上向きを表す単位ベクトルとする
var isClockwise = Vector3.Dot(cross, up) > 0f;
var angle = isClockwise ? 
    Mathf.Acos(cosTheta) * Mathf.Rad2Deg :
    - Mathf.Acos(cosTheta) * Mathf.Rad2Deg;

crossは、abが貼る平面の上方向のベクトルを表すことになります。 この方向と世界の上方向(up)のが同じ方向を向いているかを調べることで、baに対して右回り(時計回り)に回転しているかどうかがわかります(isClockwise変数に結果を格納している)。 調べるには内積の値が正(upcrossの成す角が0 ~ 90度に収まる)かどうかを調べれば十分です。

また、上記を応用して時計回りに何度かを求めることもできます。

// a, b, upは単位ベクトルとする
var cosTheta = Vector3.Dot(a, b);
var cross = Vector3.Cross(a, b - a);
var angle = (Vector3.Dot(cross, up) > 0f) ? 
    Mathf.Acos(cosTheta) * Mathf.Rad2Deg :
    - (Mathf.PI * 2f - Mathf.Acos(cosTheta)) * Mathf.Rad2Deg;