Laravelエキスパート養成読本 モダンな開発を実現するPHPフレームワーク! (Software Design plus)
著者の一人である@ex_takezawaさんよりご恵贈いただきました. ありがとうございます.
本書では対象読者を明記してなかったのですが, 個人的にはLaravelに興味がある方・PHPフレームワークの選定を悩んでいる方から, Laravelについて深い理解をしたい方まで楽しめるような書籍ではないかと思いました. その分詳細の説明は省いてあるため, 興味があれば自分で掘り進めていくという感じだと思いました.
第1章ではまず, Laravelプロジェクトの開始から今日までの道すじを簡単に説明してあり, Laravelが注目を集めた背景を理解することができると思います. また, Laravel特有のコーディングスタイルであるloCコンテナやファザードの概要について書いてあり, Laravelの特徴を理解できると思います. 章の最後にはLaravelコミュニティや書籍が多く紹介されており, この書籍を読んでさらに理解を深めたい方にとって参考になる資料だと思います. 第1章でなんとなくLaravelの概要がつかめたところで, 第2章ではサンプルアプリのコーディングを通してLaravelのコーディングスタイルをひと通り実践できます.
ここまででLaravelの基本的な利用方法は説明されていますが, 第3章ではよりLaravelらしいコーディングをするために, loCコンテナやファザード・Eloquentの説明や利用方法などが丁寧に説明されています. この辺は日本語でまとまった 説明がされている資料は(多分)少なく, 参考になるのではないかと思います.
ここまでの章では主にLaravel4についての説明ですが, 4章ではLaravel5の新機能の紹介がされています. Laravel5は新しく追加された機能も多いのですが, 個人的にはディレクトリ構造の変更・イベントまわりの強化・ミドルウェアなどのすでにある機能をより使いやすく強化したという印象が強いです. Laravel4からどのような変更があった, どう便利になったかなどを理解する手助けになる章だと思いました. Laravel5は今年の3月頃?にリリースされたばかりで, 特に日本語の資料は少ないためにこのようなまとまった資料は貴重だと思います.
特別記事では切り口を変えて, モダンなPHPフレームワークの最新事情について取り上げられています. PHPはたくさんのフレームワークが乱立しているため, どのような基準で導入すべきかは悩ましい問題の一つであると思います. この章では, モダンなフレームワークの特徴についての説明が網羅的にされており, 現在のPHPフレームワーク事情をひと通り把握することができるかと思います. PHPフレームワーク選定の手助けとして, またLaravelが他のフレームワークと比べてどのような特徴を持つかなどを理解する手助けになるのではないかと思います.
最後の章では, よりLaravelらしいコーディングサンプルを取り上げています. ミドルウェアによる認証フィルタの作成や, より実践的なルーティングの記述, コントローラ・モデル・バリデーションの実装方法など, Laravelを日常的に扱っている方でも, 気づきの多い章であると思います.
まとめ
Laravelエキスパート養成読本は, Laravelに興味がある方からLaravelを日常的に使っている方まで参考になる書籍であると感じました. 幅広い読者を対象にしているため, 細かい詳細は基本的に省いてあり, 気になる箇所があったら自分で調べて理解を深める必要があると感じました. 興味があれば, 1章に書かれている書籍やコミュニティを漁ると良いと思いました.
最後に, 献本いただきありがとうございました. Laravelに興味ある方がいれば紹介したいと思います.