Unity Recorderをスクリプトから操作して動画を撮影する
Unity RecorderはUnity Editor上で実行したシーンの描画結果(例えばゲームビューやRenderTextureなど)を画像や動画として保存するためのアセットです。
Unity RecorderではUI経由およびタイムラインでRecordTrack
とRecordClip
を仕込むことで、動画を撮影することができます。
下記画像が、それぞれUnity RecorderのUI(Recorder Window)とタイムライン設定になります。
これだけでもすでに便利なのですが、この記事ではUnity Recorderを スクリプトから操作する方法 について説明します。 エディタ限定ではありますが、スクリプトから操作できると動画撮影の自動化などがいろいろ捗ったりと、いろいろ便利かもしれません。
Video - Control Unity Recorder from Script - Unity Forumを参考にしています。
UnityEditor.Recorder.RecorderController
Unity RecorderにはRecorderControllerというクラスがUnityEditor.Recorder
名前空間に実装されていて、このクラスを利用することでスクリプトからレコーダを操作することができます。
初期化と設定について
RecorderControllerの初期化時に、レコーダーの動作を設定するためのRecorderControllerSettingsインスタンスをコンストラクタに渡す必要があります。RecorderControllerSettings
ではフレームレートや録画モードの設定とRecorderSettings
の追加を行います。
フレームレートの設定は、フレームレート数やプレイフィードバックについて設定します。具体的には下記のように設定します。
// `RecorderControllerSettings`はScriptableObject
var setting = ScriptableObject.CreateInstance<RecorderControllerSettings>();
// フレームレートを30fpsに設定します
setting.frameRate = 30f;
録画モードではレコーダーの録画区間を設定します。具体的には、手動で区間を設定するか(後述するRecorderController
のStartRecording()
メソッドおよびStopRecording()
を手動で呼び出して録画するか)、区間を予め明示するかを設定します。
// 手動設定にする
setting.SetRecordModeToManual();
// フレーム番号指定で1フレームを撮影する。
// この場合は10フレーム目を録画する。
setting.SetRecordModeToSingleFrame(10);
// 時間で区間を指定して撮影する。この場合は
// 区間が開始が0.5秒で、終了が2.0秒の計1.5秒を撮影する。
setting.SetRecordModeToTimeInterval(0.5f, 2f);
// フレーム番号で区間を指定して撮影する。この場合は
// 区間が開始が15フレームで、終了が45フレームの計30フレームを撮影する。
SetRecordModeToFrameInterval(15, 45);
最後にRecorderSettings
を追加します。Unity Recorderでは下記の図のように撮影結果の出力フォーマットが動画だけではなく音声や連番画像、Gif動画、さらにはアニメーションクリップへの出力もサポートしています。
このように撮影結果を異なるフォーマットで保存できるように、また新しいフォーマット追加の拡張をしやすいようにレコーダー部分を抽象化しています。
今回は動画を撮影したいので、動画出力のためのレコーダーを追加します。具体的には下記のようにMovieRecorderSettingsインスタンスを作成し、設定します。
// MovieRecorderSettingsもScriptableObject
var movieRecorderSettings = ScriptableObject.CreateInstance<MovieRecorderSettings>();
// 撮影する対象を指定します
// この設定では、ゲームビューを解像度640x480で撮影します
movieRecorderSettings.imageInputSettings = new GameViewInputSettings() {outputWidth = 640, outputHeight = 480,};
// 音声も録画対象に含めます
movieRecorderSettings.audioInputSettings.preserveAudio = true;
// 動画のファイル名を指定します。撮影された動画は、プロジェクトルート直下に、このファイル名で保存されます
movieRecorderSettings.outputFile = "movie-recording";
// 動画のフォーマットを指定します。MP4とWEBMのどちらかを指定します。
movieRecorderSettings.outputFormat = VideoRecorderOutputFormat.MP4;
// レコーダーを有効にします
movieRecorderSettings.enabled = true;
// レコーダーを追加します
setting.AddRecorederSettings(movieRecorderSettings);
最後にRecorderController
を初期化します。
var recorderController = new RecorderController(setting);
レコーダーコントローラの起動と停止
RecorderController
を手動で初期化した場合は、録画の開始と停止を行うことで動画を撮影することができます。
具体的には起動にはRecorderController.StartRecording()
を、停止にRecorderController.StopRecording()
を呼び出します。
recorderController.StartRecording();
// ここから撮影が開始されるのでコンテンツを動かすなどする
// ここで撮影終了。動画が保存される。
recorderController.StopRecording();
録画が停止されたタイミングで、プロジェクトルート以下にoutputFile
に指定したファイル名で動画が保存されます。